「子どもがお肉を嫌がる」
「ハンバーグやウインナーも食べてほしいのに」
子どもの好き嫌いって気になりますよね。せっかく作ったのに「いらない」と言われると、落ち込んでしまうことも。
今回は、お肉を食べない子どもにスポットを当てて、食べない理由や解決方法をまとめました。
同じように子どもの好き嫌いに悩んできたママとして、筆者の体験談も交えながら紹介します。ぜひ参考にしてくださいね。
目次
子供がお肉を食べない!
子供の好き嫌いは珍しいことではありませんが、中にはお肉嫌いな子供もいますよね。
子供だったら好きなはずのハンバーグなどのひき肉メニューやウインナー、唐揚げなど、定番メニューを食べてもらえないのは悩ましいものです。
やみくもにあれこれ試しても疲弊するばかり。一旦立ち止まって、どうすればいいかに考えてみましょう。
お肉を食べてほしいのはなぜ?
まずは、お肉を食べてほしいと思う理由を確認してみます。
「栄養が摂れていない気がする」
「レパートリーが少なくて困る」
など、食べてほしい理由がありますよね。
栄養バランスが気になるなら、お肉以外の代わりの食品でもOKだったりするし、レパートリーを増やしたいのであれば、肉料理にこだわらなくていいかもしれません。もしくは、子どもの好きな食べ方を探ってみるのも手です。
無理なく食べさせる方法を、一緒に考えましょう。
なぜお肉を食べなくなったのか?
次に、子どもを観察して、なぜお肉を食べないのか考えてみましょう。
例えば、我が子は「昨日は食べたのに今日は食べない」ことがありました。
よく見ると、味つけが以前と違ったり、火を通しすぎてお肉が硬くなっていたんです。大人にはたいしたことなくても、子どもは微妙な違いをイヤだと思うのだと気付きました。
「どうして食べないの?」と言ってしまいがちですが、子どもには子どもなりの食べない理由があります。
なぜお子さんがお肉を食べないのか、考えられる理由を次にまとめましたので見ていきましょう。
肉嫌いの子供の4つの理由
思うように食べてくれないと、このままでいいのか悩んでしまいますよね。なぜ子供は肉嫌いになってしまうのか、4つの理由をご紹介します。
お子さんの様子に思い当たるものはないか、チェックしてみてください。
1.成長過程における一時的なもの
「小さい頃は食べなかったけれど、大きくなっていつの間にか食べるようになった」と聞いたことはありませんか?
子どもの好き嫌いの理由のひとつに、【成長過程における一時的なもの】があります。身体が成長するにつれ、解消される可能性があるんです。
子どもは離乳食期の頃から、少しずつ食べられるものが増えてきます。離乳食期も、食べたり食べなかったりと一進一退でしたよね。
お肉を食べないのは、想定される月齢よりも味覚がまだ発達していないのかもしれません。
一進一退を繰り返しながら、成長を待ちたいですね。
2.味や食感が苦手
「これいらない」
「お肉おいしくない」
と、ポイッと捨てられたり残されたり、時に子どもの反応に傷ついてしまうことも。
特に2~3歳の頃から、子どもの好き嫌いがはっきりしてきます。
自我の芽生えや味覚の発達により、自分の好みを主張できるようになった証拠です。イヤイヤ期のひとつと捉えて、自分を責めないようにしてくださいね。
・かたい
・パサパサしている
・臭いが気になる
など、子どもが食べない理由もさまざまです。
小さい頃は、噛む力が弱く味覚も安定していません。「食べづらい」「噛めない」などが、お肉を食べない理由につながっている可能性もありますね。
3.お肉の種類によって好みがある
大人にも苦手な食材はありますよね。お肉だと、レバーや鶏皮、ジンギスカンなどを食べられない人もいます。
子どもも同じです。「あれこれ手を尽くしても食べない食材はある」と考えた方が、気持ちが楽になるかもしれませんね。
お肉の種類ごとに、考えられる苦手ポイントをまとめてみました。
・鶏肉:ササミや胸肉のパサつき。鶏皮の食感。やや臭い
・豚肉:脂身を嚙み切れない。繊維が苦手
・牛肉:生々しい色。臭み。繊維が苦手
パサついて嚙み切れなかったり、独特の食感が苦手でイヤになることもあるようです。
「鶏肉は食べないけど豚肉は食べる」こともあるので、ぜひ探ってみてください。
4.好きな物だけで満足する
普段の食事は、どのようなスタイルで食べさせていますか?
・プレート一皿に1人分の食事を盛り付ける
・食卓にすべての料理を一度に並べる
などは、おそらくほとんどの家庭の食事スタイルだと思います。
この場合、子どもは好きな物や食べられる物だけ食べて満足してしまいがち。結局、苦手なお肉は残ってしまいます。
食べないからといってお肉を食卓に並べないと、好き嫌いはますます加速するでしょう。
お肉を食べる機会を奪わないよう、大変ですが、ほかの家族と同様に作ってあげてくださいね。
お肉を食べないとどんな影響がある?
子どもの肉不足で、何より気になるのが「身体や心への影響」です。
・成長に必要な栄養が摂れないのでは?
・早く克服しないとずっと食べないのでは?
など悩みは尽きません。
肉不足が与える子どもへの影響について、一緒に見ていきましょう。
成長に必要なタンパク質
お肉には、
・丈夫な体を作るたんぱく質
・成長に不可欠な必須アミノ酸
・脳の発達に重要な鉄分
など、子どもの成長に欠かせない栄養素が含まれています。特に、タンパク質は子どもの体づくりに必要不可欠です。
それに、お肉からは亜鉛やビタミンB1,B12などの栄養が効率よく摂取できるので、普段から食べられるようになっておきたい魅力的な食材です。
ですが、お肉を食べないからといって、過剰な心配はいりません。
次のような、同じ栄養素が含まれた食材を代用すればいいんです。
・たんぱく質、必須アミノ酸:魚・卵・豆腐など
・鉄分:魚・あさりやシジミなどの貝類・小松菜など
・ビタミンB12:魚介類・卵・チーズなど
子どもは、お肉だけで成長しているわけではありません。もちろん進んで食べられるようになるのが一番良いことですが、元気に過ごせていれば十分!
どうしても成長が気になるときは、定期健診などのタイミングで相談してみてもいいかも。偏食気味で成長がゆっくりな我が子も、小児科の先生に「問題ないですよ」と言われてどれだけ救われたことか。
親だけが思い悩む必要はないんです。不安な時は、周囲に相談してみましょう。
ずっと食べないままかも?
「今のうちにお肉を食べさせておかないと、ずっと食べないのでは…」と不安になることもあるかもしれません。
お茶の水女子大学の食育レポートによると、子どもの偏食の約半数は、苦手な食材に変化があるようです。
小学生以上になると、苦手なものでも自分の意思で食べようとします。
学校の給食がいい例で、「苦手だけど周りが食べているから…」と周囲に影響されるうちに、自然と食べられるようになる子供は多いです。
子どもを信頼して、「いつかは食べるだろう」と長い目で見守ることも大切です。
お肉を食べない子供への解決方法
成長によって、子どもの好みや食べられる物は変わってきます。様子を見ながら、できる範囲でいろいろ試してみましょう。
お肉を食べない子どもへのアプローチとして、3つの方法をご紹介します。
1.味や食感に変化をつける
単純にお肉が嫌いというより、「味や食感が好みではない=嫌い」と子どもが思っている場合があります。味や食感を変えると、意外とパクパク食べることも!
次の点を意識すると、お肉が食べやすくなってうま味も感じられますよ。
・よく煮込む
・片栗粉でとろみをつける
・繊維を断ち切りながら小さく切る
カレーや親子丼など、よく煮込めばお肉もほろほろとやわらかくなります。薄味を意識して、最初は子どもが食べやすいよう甘めの味つけにしましょう。
料理酒を活用して、お肉をやわらかくしたり臭みを取ることも可能です。
ちなみに我が子は、お肉のパサパサ具合が苦手。片栗粉でとろみをつけたところ食いつきがよく、徐々に食べてくれるようになりました。
様子を見ながら、お肉の種類や部位、調理法などを変えてみましょう。いろいろな味を試すことは、味覚の成長にもつながります。
2.一緒に料理をする
子どもがお手伝いできるようになったら、一緒に作ってみませんか。
ソースを絡めるだけでも、それがどういう味になるのか興味がわくかもしれません。自分が作った味が気になって、食べてくれる可能性もありますよね。
好き嫌いを克服するのに大切なのは、「豊かな食体験」です。
・さまざまな食材を食べる
・家族で楽しく食卓を囲む
・食材について知る
・育てる、収穫する
など、食に関する豊かな体験が、苦手克服にもつながるといわれています。
日頃から、子どもが安心して食べられる環境作りを意識したいですね。
3.手をかけ過ぎず、おおらかに
レシピを工夫しても、すぐ食べてくれるものでもありません。無理強いはよくないとわかっていても、つい「食べなさい!」と言ってしまいます。
子どもにガミガミ言うより、一緒に楽しく食べることを大切にしてくださいね。
「このお肉食べてみる?」
「やわらかくておいしいよ」
と声掛けをしながら、子どもが食べるまで待つ姿勢も必要です。
注意したいのが、「細かく切ってお肉とわからないように」と手をかけすぎること。子どもがお肉だと気付いたときに、だまされた気持ちになってしまうのが心配です。
ますます苦手意識を強めてしまうので、お肉が入っていることを素直に伝えましょう。
お肉だと知った上で、子どもが食べてくれたら嬉しいですよね。褒めると、子どもだって誇らしい気持ちになります。
そんな成功体験や、楽しい食事の記憶を増やしてあげたいですね。
さいごに
子どもに好き嫌いがあると、ご飯作りがストレスになります。「いつかは食べてくれる」と信じながらも、食べない姿を目にすると悲しいものです。
この記事では、お肉を食べない子どもにスポットを当てて食べない理由や解決方法を紹介しています。
この記事に辿り着くまで、きっと試行錯誤してきたはずです。またやみくもにレシピを試して、同じことの繰り返しになってはいけないと思い、レシピはほとんど紹介しませんでした。
ここで一旦立ち止まって、子どもを観察することから始めてみてください。できる範囲で調理の工夫をしながら、子どもと一緒位お肉をおいしく食べましょう。
おおらかに見守りながら、楽しい食事の時間を過ごしてくださいね。